診療科・部門紹介

医療センター

心臓血管センター外科 心臓血管外科

当科では、院内の関連診療科と密接な連携を取りながら、心臓血管疾患に対するチームとして外科的治療を行っています。主な手術内容としては、閉塞性動脈硬化症に対する動脈バイパス術、慢性腎不全に対するシャント造設、下肢静脈瘤手術などの末梢血管手術を毎年100例前後行っています。開心術に関しては、大阪大学心臓血管外科教室との連携を取りながら地域の中核病院として適切な治療を行っていきます。

スタッフ紹介

  • 山口 高広
  • 大竹 重彰

診療内容

大動脈瘤・解離

大動脈は心臓から末梢につながる血管です。大動脈が何らかの原因で脆くなり、強い血圧に耐えられなくなった部分が外側に向かって膨張した状態を大動脈瘤といいます。また、血圧を支えきれずに血管壁が裂けてしまう疾患を大動脈解離といいます。

胸部大動脈

上行および弓部大動脈瘤では、最大径が50mm以上、下行および胸腹部大動脈瘤では55mm以上になると破裂する危険性が増大するので、人工血管置換術を施行しています。上行および弓部大動脈に解離がある場合には緊急人工血管置換術を行いますが、下行大動脈のみに解離が存在する場合は基本的には降圧安静療法を行っています。

腹部大動脈瘤

最大径が45-50mm以上になると破裂の危険性が高まるため、人工血管置換術を行っています。
(右図 腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術)

末梢血管疾患

閉塞性動脈硬化症

閉塞性動脈硬化症とは、下肢動脈の動脈硬化によって動脈が閉塞し、血液の流れが悪くなり、歩くのが困難になる等の症状が現れます。血流障害が進行すると血流がなくなって足が壊死に陥り、切断という最悪の事態にいたってしまうこともある病気です。

当科では、重症虚血肢に対しても、創傷センターチームとして 、循環器内科(カテーテル血管形成術など)、形成外科(皮膚移植など)、整形外科(下腿切断など)と協力し、足関節レベルへの血行再建手術(distal bypass術)を行っています。

重症下肢虚血肢に対する治療例

自家静脈の弁を切除しそのままの状態で動脈にバイパスを架ける in situ vein bypass を行いました。

内シャント手術

透析科と、連携した治療も行っています。人工透析導入に際しての、透析シャント血管吻合術や透析シャント血管のトラブルに対しては、フォガティカテーテルによる血栓除去術や人工血管置換術を行っています。

内シャント手術による治療例

上腕グラフト内シャントの増大するセローマに対してセローマ除去+動脈側グラフト再建を行いました。

下肢静脈瘤

静脈瘤とは静脈中の弁が何らかの原因で壊れ、血液が逆流し、下肢に溜まり、静脈が膨れ、蛇行した状態をいいます。汚れた血液が足にたまるために、むくみやだるさなどの症状が起こります。当院では、下肢静脈に対して以下の治療を局所麻酔の日帰り手術で行っています。

当院の治療の特徴

80列マルチスライスCTによって撮影されたデーターを3次元画像に加工を行い、造影剤なしで表在(大・小伏在)静脈の走行や拡張の程度、形態評価を行います。(※痛みや薬のアレルギーの心配は不要です。)得られた三次元画像より病変部位に合った治療を法を選択でき術前にどの組み合わせで治療を行うのか計画を立てることができます。右の治療例では、4つの手技を組み合わせて手術を行っています。