非造影MRIのメリット
- 低侵襲・低コストなのでスクリーニング検査として最適です。
- 造影剤によるアレルギーに注意する必要がありません。
- 造影剤を使用しないため、低腎機能患者様の血管描出に有用です。
MRIのデメリット
- ペースメーカーを埋込まれている方、閉所恐怖症の方等、検査を受けていただけない方もいます。
- 心拍数の極度に高い方は、検査できない場合があります。
- その他、安静を保てない方や検査に協力していただけない場合は検査できない場合があります。
医療センター
近年、増加傾向にある動脈硬化の原因には、糖尿病・高血圧・高脂血症・肥満・ストレス・喫煙等があげられます。動脈硬化は「脳卒中」「狭心症」「心筋梗塞」などの合併症を引き起こすため、速やかな対応が重要です。
全身の血管血流評価には多様な検査が施行されていますが、その中でも当院では非造影MRI技術を用いて診断・治療法の決定に役立てています。このような先進技術を利用し、脳動脈・頚動脈・腎動脈・下肢動脈など、全身のあらゆる血管(Total Vascular)を評価することを目指しています。
当院のMRIのシステムは、コイル交換なく撮影が可能なので短時間で頭部・頚部血管のスクリーニング検査が可能です。脳卒中の原因となるような血管病変を描出できます。
従来、下肢動脈の画像診断は造影剤を用いたCTAが主流となっていました。当院では、非造影にて腹部大動脈から下腿動脈までの広い範囲での検査が可能です。間欠性跛行の原因となるような動脈閉塞などを描出できます。
難治性重症高血圧の原因として、腎動脈狭窄によるものがあります。腎血管性高血圧は難治性高血圧の5%程度を占めると考えられており、「複数の降圧薬を服用しても血圧コントロールがうまくいかない場合は腎動脈狭窄が疑われます。当院のMRIは、造影剤を使用せず腎動脈の評価が可能です。CTAでは、描出しにくい腎実質内の血管も評価可能です。
重症虚血肢とは、下肢の重症な閉塞性動脈硬化症のために安静でも痛みを感じたり、足に潰瘍や壊死を生じた状態です。 治療が不十分な場合には、下肢の大切断や命にも関わります。血管造影でも描出の難しい足部血管と同時に、壊死組織の評価もMRIで行うことが可能です。
従来から靭帯・関節・脊椎などは、MRI検査の得意分野でありさまざまな評価がされてきました。当院のMRIでは、骨髄の脂肪信号を抑制させて病変部の変化(炎症・損傷・挫傷)をより際立たせるような撮像方法で検査を行っています。これにより微小な損傷の評価もより明瞭に写しだすことができます。
MRI検査の大きな特徴として、検査時間が長いことがあげられます。しかし、装置のハード・ソフトウェアの向上により検査時間短くなりました。また、当院のシステムでは横向けであっても検査をすることが可能で、背骨の変形したお年寄りのかたでも負担を少なく検査を受けていただくことが可能です。