診療科・部門紹介

診療科

産婦人科

女性の体は、思春期から妊娠・出産・更年期・老年期と一生の間にドラマティックに変化していきます。女性のライフスタイル全体を見つめ、健康的で楽しい生活を送れるようにお手伝いをしています。当院では、産婦人科医師不足により分娩予約を休止しております。(詳しい内容については、下部ページの産科診療をご覧ください。)

診察スケジュール

午前 1診 飛彈 小泉 飛彈 椹木 飛彈 -
午前 2診 小川 小川 - 小川 小川 -
午後 1診 飛彈 小川 飛彈 椹木 飛彈 -
午後 2診 小川 - - - 小川 -
※ 産婦人科の受付時間 午前は11:30まで 午後は2:30までです。(但し木曜日は午後2:00まで)

担当医紹介

常勤医師

飛彈 修二 Shuji Hida

部長
専門分野
周産期、婦人科腫瘍、更年期医療
資格
産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、女性ヘルスケア専門医、医師会認定産業医

小川 裕子 Yuuko Ogawa

医員
専門分野
一般産婦人科
資格
産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、検診マンモグラフィー読影認定医、乳癌検診超音波検査実施判定医

小泉 清 Kiyoshi Koizumi

非常勤
専門分野
一般産婦人科、生殖内分泌
資格
医学博士、産婦人科専門医、母体保護法指定医

非常勤・担当医師

椹木 晋
非常勤

産婦人科の特徴

産科診療

産婦人科医師不足により当院において緊急時の分娩対応の態勢が整わず、安心して分娩をしていただくことができないため、現在令和2年1月1日以降の分娩予約を休止しております。妊婦健診はリスクの低い妊婦さんに限り妊娠8ヶ月(32週未満)まで当院で実施可能です。分娩に関しては、近隣の出産取り扱い施設に紹介させていただきます。

子宮筋腫

子宮にできる良性の腫瘍(こぶのようなもの)です。30歳以降の女性では、約30%の方が子宮筋腫を持っていると言われています。多くの方は、月経に伴う症状で発見される場合が多いです。以下の症状のある方は、筋腫があるかもしれません。

子宮筋腫の症状

  • 生理の量が多い。(血の塊が出てくるとがある)
  • 生理が長引いて(7日間以上)終わらない。
  • 不正出血がある。
  • 健康診断で貧血を指摘された。
  • なかなか妊娠しない。

子宮筋腫の検査方法

①内診と超音波検査をすれば筋腫があるかどうかは分かります。
【症状に応じて】
②貧血のチェック。
③MRI検査で筋腫の場所や大きさなどを診断します

治療方法

子宮筋腫は、必ず治療が必要な疾患ではありません。個人個人の症状や生活背景によって、治療の必要性や選択肢は変化します。子宮筋腫自体は薬で治すことはできませんが、出血などの症状については薬物療法でコントロールすることができます。妊娠を考えている方・筋腫が大きくなり他の症状(貧血がひどい・痛みが強い)が強くなる方は、手術治療(子宮摘出術や筋腫核摘出術)も考慮されます。


子宮内膜症

子宮内膜症は、生理痛・腹痛・性交時痛・不妊症の原因となります。月経のある女性の約10%は、子宮内膜症があると言われています。病気の仕組みとしては、子宮内で作られる子宮内膜が腹膜や卵巣などの子宮でない場所に作られてしまう病気です。子宮以外の場所で内膜が作られた場合でも、生理時に子宮内膜が剥がれます。その時、内膜を体外に排出することができないために炎症や痛みを引き起こします。以下の症状のある方は、内膜症があるかもしれません。

子宮内膜症の症状

  • 学生のころから生理痛がきつい。
  • 性交時に痛みを感じる。
  • 排便時に差し込むような痛みがある。
  • 生理時に下痢・吐き気やめまいがある。
  • なかなか妊娠しない。

子宮内膜症の検査方法

子宮内膜症や内膜症性嚢胞・子宮腺筋症などは、超音波検査での検査が第一選択となります。卵巣腫瘍との鑑別や骨盤内の子宮内膜症の評価でMRI検査を行う事もあります。

治療方法

治療方法としては、薬物療法(対症療法と内分泌療法)と手術療法があります。治療方法の選択としては、子宮筋腫と同様にご自身の生活背景によって決まってきます。薬物療法では、排卵と月経をコントロールする事が中心となります。手術療法では、妊娠を考えて行う手術(卵巣嚢腫摘出や子宮内膜症病巣切除術)もしくは病気を治すための手術(子宮卵巣摘出術や卵巣卵管摘出術)を選択する事になります。


がん検診

婦人科でのがん検診とは、以下の3種類をいいます。①子宮頸部がん②子宮体がん③卵巣がん
一般的に子宮がん検診と言われるのは、子宮頸部がんの事を示すことがほとんどです。

検査方法

①子宮頚部がん検査

子宮頸部(子宮の入口)を、検査専用のサイトピックや綿棒でこすって採取した細胞を顕微鏡で見て診断します。

②子宮体がん検査

子宮体がん検診は、生理以外に不正出血が続いている場合に検査を行います。内診と超音波検査を行い、検査が必要と医師が判断した場合に子宮の中に細いブラシを入れて細胞を採取します。

③卵巣検診

膣内に超音波の機械を挿入して、卵巣嚢腫や卵巣がんの診断をします。セックスの経験のない方でも、直腸から超音波音波検査をすることで同様の検査をすることは可能です。

子宮頸がん予防ワクチン接種をご希望の方へ

産婦人科医師によるカウンセリングおよびワクチンの説明を行ったうえで、子宮頸がんワクチン接種を行っています。ワクチンの説明だけ聞きたい、とおっしゃる方もご相談ください。
ワクチンの接種対象は、10歳以上の女性です。二十歳未満の方は、初回は保護者同伴で受診して頂くようにお願いします。性交渉の経験があり、すでにHPV16型や18型に感染している場合は、ワクチンの治療効果はありません。
市町村の子宮頚がんワクチン定期接種対象年齢のかたは、助成があるので無料もしくは定額で接種できます。
ワクチンに関する問い合わせや予約は電話で受付ております。

更年期障害

更年期とは、女性ホルモンを分泌する卵巣の働きが衰えて停止し、女性ホルモンが欠乏した状態で体が安定するまでの時期を示します。更年期症状は、卵巣機能の低下に加えて心理社会的因子やライフスタイルによっても影響を受けます。更年期症状により、日常生活に支障を生じる病態が更年期障害です。

更年期障害の症状

更年期の症状は、全身に現れます。のぼせ・冷えなどもあれば、頭痛やめまい・耳鳴りといった体の症状から、不安感やイライラ・不眠といった精神的な症状が現れる方もいます。日常生活に支障となる程度から、ほとんど自覚しない程度まで、症状の種類や程度には個人差があります。これらの症状は、更年期とは関係なく別の原因で起こることもあるので、更年期と簡単に決めつけないで専門医の診察を受けることも重要です。当院では、更年期専門医による治療を受けていただけます。

更年期障害の診断

問診・SMIスコア
更年期障害の重症度、治療による効果判定の目安にします。
ホルモン検査
ホルモン補充療法の必要性を把握するため、検査をします。
腹部エコー 骨密度
病状によって必要であれば検査をします。

更年期障害の治療

ホルモン補充療法
低下した女性ホルモンを補う治療方法です。ホルモン欠乏による、のぼせ・ほてり・発汗・性交痛などの症状はもとより、気分の変調や関節痛など更年期以降の様々な症状を改善できます。
漢方療法
からだ全体のバランスを整え、心と体を健康にすることを目的とした治療法です。あなたにあった薬を選ぶためにも、自己判断ではなく当院にご相談ください。
プラセンタ療法
保険適応のメルスモンの注射を行っています。この注射には、美容効果もあります。

子宮脱・子宮下垂

子宮の位置が正常よりも下方にさがったもので、子宮の一部または全部が膣の入口より外に出た状態を子宮脱と言います。原因としては、骨盤の底にある筋肉等が緩んで子宮を支えられなくなり起こります。出産経験のある高齢女性に、多く発生します。

子宮脱・子宮下垂の症状

子宮が下がった感じ・下腹部不快感などがあり、排便時や起立・歩行時・入浴時などに膣の入り口に塊が下がり触れることもあります。脱出している程度が強いと、下着とこすれて出血したり、おりものが多くなります。膀胱が一緒に下がる事も多くあり、それにより頻尿・尿失禁・尿閉(おしっこがでない)などの症状を合併することがあります。

治療方法

手術しない方法
リング状の膣内ペッサリー挿入により、子宮の脱出を防止します。ペッサリーは、数カ月におきに交換します。
手術療法
一般的には、子宮を膣式に摘出し前後の膣壁を縫い縮めて骨盤支持組織を強化する膣壁形成術が行われます。

性病・性感染症(STD)

性病・性感染症(STD)は、感染している人との性行為により感染します。感染ルートとしては、病原菌を含む精液・膣分泌物・血液などが口や性器粘膜・皮膚などに接触することにより感染します。

クラミジア感染症

クラミジア感染症は、10代から30代で急増している性感染症(STD)です。男女ともに多くの無症状の感染者が多くします。女性の感染では、①骨盤腹膜炎(腹痛や発熱)②不妊症③子宮外妊娠などの様々なトラブルに繋がります。また、妊娠中では流産・早産の原因にもなるので確実な治療が必要です。治療は、抗菌剤の内服治療を行います。また、パートナーと同時に治療を行うことをお勧めしています。

淋病

淋病に感染すると子宮頚管炎などを起こし、不正出血や帯下の増加の原因となります。感染が腹腔内に及ぶと不妊症や腹膜炎の原因となってしまうことがあります。治療には、抗菌剤の内服や点滴・注射を行います。クラミジア感染症と同様にパートナーと同時に治療することをお勧めしています。

外陰膣カンジタ症

カンジタは、健康な人の膣内や皮膚にも存在しています。性行為により感染するよりは、抗菌剤の内服後や睡眠不足・疲労・ストレスが引き金となっても発症します。症状としては、外陰部と膣の掻痒感や痛みなどがあります。酒粕状やヨーグルト状の帯下が、増加することが特徴的です。治療は、抗真菌剤の軟膏や内服治療を行います。

低用量ピル・避妊リング

低用量ピル

低用量ピルは、安心・安全で女性にとってメリットのある薬です。以下に低用量ピルを服用するきっかけとメリットをあげます。
生理痛の緩和
生理痛・月経不順・月経前のイライラなどの生理に関する不快な症状の改善。
ニキビの改善
ホルモンバランスが整うので、ニキビや多毛症に効果があります。
安全な避妊
確実な避妊効果があります。
子宮内膜症の治療
子宮内膜症の安全な治療薬としての効果もあります。

避妊リング

子宮内に器具(リング)をいれ、受精卵の着床を阻害することで避妊します。基本的に挿入がしやすい経産婦さんにお勧めです。1度挿入すると2〜5年効果が続きます。
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