難治性潰瘍に対する、創傷治癒学に基づいた処置方法の提案・指導を行っております。足潰瘍の予防として、胼胝の処理・爪切り・装具作成などを行っております。陥入爪や爪周囲炎に対し、応急処置として部分抜爪を行ったり、根治術として、フェノール法・CO2レーザーによる手術などを提案しております。ほとんど痛みを伴わない治療としてワイヤーによる陥入爪の矯正術も行っております。
医療センター
創傷センターでは、糖尿病や動脈硬化による血流障害、静脈うっ滞などが原因で難治性となった皮膚の潰瘍性病変などの慢性創傷に対する治療を行います。慢性創傷が生じる背景には、糖尿病や腎不全などの基礎疾患や創傷の治癒を妨げる様々な要因が存在するため、複数の診療科による集学的治療が必要となります。創傷センターでは、創傷の管理に当たる形成外科フットケア外来を中心に、各医療センターが緊密な連携し、難治性の慢性創傷に対する治療を行っています。
局所治療 | フットケア外来(形成外科) |
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血行再建治療 | 心臓血管センター(循環器科・心臓血管外科) |
内科的治療 | 透析センター |
基礎疾患治療 | 腎臓糖尿内科 |
合併疾患治療 | 脳卒中センター(脳神経外科)・心臓血管センター(循環器科・心臓血管外科) |
機能・画像診断 | 臨床検査部・放射線部 |
難治性潰瘍に対する、創傷治癒学に基づいた処置方法の提案・指導を行っております。足潰瘍の予防として、胼胝の処理・爪切り・装具作成などを行っております。陥入爪や爪周囲炎に対し、応急処置として部分抜爪を行ったり、根治術として、フェノール法・CO2レーザーによる手術などを提案しております。ほとんど痛みを伴わない治療としてワイヤーによる陥入爪の矯正術も行っております。
まず、壊死組織の除去と感染コントロールを行います。原則としては創の消毒は行わず、水道水による洗浄が推奨されていますが、感染が著明な場合に消毒薬を併用する場合があります
手術療法
壊死組織の除去は創治癒を進行させる上で必須です。壊死や感染が著明な場合は、早期に壊死組織除去、洗浄処置を手術的に行う場合もあります。その後、抗生剤を含んだ軟膏や、抗生剤の投与、および適切な創傷被覆材での保護などが行われます。以上のように創の状態を整えた後、栄養や合併症の状態などの全身状態が許せば早期治癒を目指して手術治療を行います。
下腿部に静脈うっ滞による難治性潰瘍を認めます。有茎皮弁形成を行いました
術後、下肢うっ滞による発赤・皮下硬結もなくなり移植した皮膚も安定しています
傷の状態や患者さまの年齢などを考慮して遊離皮弁術を選択しました
マイクロサージェリーを用いて、腹部からの皮膚と血管を同時に移植しました
創部の血流を維持したまま移植をしたので、手術結果は良好でした
糖尿病による神経障害として、
また、下肢の動脈硬化を合併して血流障害を伴うことがあり、糖尿病性腎症による腎障害・腎不全は、血管の高度な石灰化の原因となって治療を困難とすることがあります。創部に対する局所治療とともに、厳格な血糖コントロール、血行再建治療、腎不全症例に対する血液透析などの全身的な治療を行います。
ABI検査 | 腕と足の血圧を同時に測定して、足の血流障害の評価を行います。 |
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SPP(皮膚灌流圧)検査 | レーザー光を皮膚にあてて、皮下の毛細血管を流れる血流を測定し皮膚灌流圧を測定します。 |
血管超音波検査 | 下肢動脈エコーでは、血管の閉塞・狭窄を評価します。また、下肢静脈エコーでは下肢静脈の逆流があるかないか確認をし、瘤や血栓の有無を評価します。 |
造影CT検査 | 造影剤を投与しながらCTを撮り、下肢動脈の狭窄・閉塞の部位と程度の評価を行います。 |
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MRI/MRA検査 | 血管造影でも描出の難しい足部血管と同時に壊死組織の評価もMRIで行うことが可能です。 |
褥瘡は「床ずれ」とも呼ばれます。自分自身では体位の変換が不可能で、長期間寝たきりの麻痺患者さんや歩行障害のある患者さんなどに多く見られる合併症です。寝たきりの同じ体位で長時間の療養や介護を受けるような場合に、仙骨部、踵骨部、後頭部、肩甲部、大転子部などの病的骨突出部に褥瘡が発生します。
保存的治療 | 適切な保存的療法で治癒する褥瘡も多いため、明らかな骨露出を伴うような重度の褥瘡以外は、保存的療法が行われます。 保存的治療では、創面局所の血流を阻害しないことが基本となり、常時、褥瘡部を圧迫しないような対策が必要です。このため規則的な体位変換を行い、褥瘡創面をできるだけベッドと接触しないようにします。できれば、エアーマットなどを使用して創への圧迫の軽減を図ります。当院では、褥瘡に対するアセスメントや定期的な褥瘡回診を行い、褥瘡予防にも努めています。 また、患者さんの栄養状態を改善することも重要です。NST(栄養サポートチーム)による各専門スタッフ(看護師・管理栄養士・薬剤師・言語聴覚士)がそれぞれの知識や技術を出し合い最良の方法で栄養支援をしています。 |
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外科的治療 | 仙骨・大転子・坐骨部などの部位別に多くの手術方法が開発報告され、褥瘡切除創を確実に閉鎖でき、安定した術後成績が得られています。手術法は患者さんの基礎疾患・年齢・合併疾患の有無(糖尿病・動脈硬化症・肥満)・麻痺の有無・全身状態・リハビリテーション・褥瘡の大きさなどを総合的に考慮して、術後再発が少なく、患者さんへの肉体的負担の少ない方法を選択します。 |